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この仕事をしていると学生からお土産や贈り物をもらうことがある。日本語教師になって5年、授業や学生の対応も落ち着いてできるようになり、多少の余裕すら生まれてきた。
ある日、初級クラスのある学生から休み時間に、「先生、これどうぞ。」と一冊の本をもらった。
「くれるんですか?ありがとうございます!」とカバーを外して見てみると、『うまくいっている人の考え方』というタイトルが…。
しかも、ご丁寧に「仕事を楽しむ」という項目にしおりが挟まれている。そして、「先生、大丈夫。リラックス。」と言われた。
このプレゼントの意図を聞こうと、いろいろ話してみたが、「先生、大丈夫。リラックス。」と、とてもいい笑顔で繰り返すだけで結局、何もわからなかった。
他の学生にも聞いてみたが、特に私が授業を楽しんでいないと感じたことはないという。彼には一体私はどのように見えていたのだろうか…。
それ以来、学生は細かいところまでよく見ているものなのだと、見られ方にも気をつけるようになった。
日本人とは異なった感性を持つ留学生たちは、ときに私たちの予想の斜め上をいく言動や行動を見せてくれる。そうした予想外の出来事に出会えることもこの仕事の魅力であると思う。(藤村)
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